タクト DX
ヤマハ/・パッソルの発売で50ccの主流はスクーターと移りつつあった。そこで80年にホンダが満を持して発売したのがタクトDXで、元からの2輪ユーザーではなく自転車からの乗り換えを狙ったのはロードパルと同様だが、簡単な操作で乗れることを目指して造られた。
スクーターだけですべてのの用途をこなそうというのではなく4輪+2輪でより生活が便利にという販売方針は同時期に”一家に一台”の4輪車シビックを発売していたホンダらしく、車体そのものも簡単にそして気軽に乗ることを全面に打ち出したものだ。
パッソルが樹脂とスチールを組み合わせた外装だったのに対し、タクトDXは外装パーツをすべて樹脂製にして軽量化を図り乾燥重量を49kg(キック式)に抑えた。また、セルスターターを装備(キック式も併売)した。Vベルトを使った無段変速オートマチックと組み合わされており、さらにメンテナンスフリーのCDI点火や12Vバッテリー(セル付き)など電装系に当時の最新技術が投入された。
現在ではスターターの前提になっているオートチョーク、オートフュエルコック、燃料計といった装備も、すでにタクトDXは採用されており、その甲斐あってタクトは追加発売せれたフルマークなども合わせて72万台を超える大ヒットになった。
また、音楽用語からとったタクトという名称にふさわしく、フロントパネルに音符のマークがはいっており、このタクトDXを皮切りにホンダはハミング、ボーカル、ビートといった音楽用語を車名に採用するようになる。
エンジン:空冷2ストローク単気筒 49cc 最高出力:3.2PS 重量:51kg 年式:1980年 ボトムリンク式フロントサスペンション
当時の販売価格:118,000円 現在換算で170,444円(消費者物価指数) 写真はセル付きモデル
タクトフルマーク
86年n道路交通法改正でヘルメット着用が義務化された事を受けて87年に発売された4代目タクトは柔らかなラインのボディはシート下にフルフェイスが収納可能なメットイン・スペースを持ち、発売と同時にヒットした。
正式名称のタクト・フルマークより広告のキャッチフレーズのメットイン・タクトの方が知られているのも、いかにこのメットイン・スペースのインパクトが強かったのかを物語っている。
エンジン:空冷2ストローク単気筒 49cc 最高出力:5.8PS 重量:60kg 年式:1987年 オートマチック(Vマチック)
当時の販売価格:139,000円 現在換算で175,146円(消費者物価指数)
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