ユーザーの声に応えるものづくり。GOLD WING GL1000

ホンダコレクションホール

ゴールドウィング GL1000
北米向けバイクを常識にとらわれず白紙からつくれ。この言葉がでた経緯は、60年代に入る頃アメリカのユーザーの間で大量排気量モデルを求める声は次第に大きくなっていた。アメリカを重要な市場と睨んでいた日本メーカーはこぞってビックバイクを生産・輸出を開始するなか、この争いは69年のCB750K0の登場で一段落したかに思われたが、カワサキZ1が72年に発売されアメリカで絶賛を受けたことで、ホンダはさらに魅力的なスポーツモデルの開発が急務となった。こうして開発されたのがGL1000で、他に類を見ないOHCの水平対向水冷4気筒エンジンやシャフトドライブによる駆動、シート下に置かれた燃料タンクなどを備えた新しい概念のスーパースポーツモデルとして74年にアメリカで発売された。
しかし、アメリカではスポーツモデルというよりは操安性からツアラーとして評価されることが多く、事実ヘッダーやウインドジャーマーのフェアリング装着がポピュラーであった。結果として見れば水平対向エンジンはフェアリングの装置に適し静粛性に優れた水冷エンジンもツアラーにおいて最適のユニットだったといえただろう。この動きを敏感に感じ取ったホンダは、このカスタマイズがやがて次モデルへとフィードバックされユーザーの声に応える形でクルーザーとして進化しやがてキングオブモーターサイクルと称されるモデルにまで成長を遂げた。
エンジン:水冷4ストローク水平対向4気筒OHC 999cc 最高出力:81.1PS 重量:265kg 年式:1974年
5段変速 シャフトドライブ

ゴールドウィング GL1500
余裕のロングツアーを実現するアメリカならではの豪華クルーザー。
‟ツアラー”というはっきりした進化の方向が決まったGL1000はアメリカホンダの手によって80年には1100ccまで拡大され、同時にフレームマントのフェアリングをまとう豪華モデルに変身、84年には1200ccとなり初めてオーディオを装着するなどのラグジュアリー性の追求が進められた。そして、88年、ホンダは後を追ってきたライバル車に差をつける為に静粛性と快適性を徹底追求し、1520cc水平対向6気筒に進化したグランドツアラー。
車体が大きくなり重量が重くなり後退ができるリバースシステムを採用するなどユーザーニーズにも応えた。リバースシステムによりセンタースタンドも立てやすくなった。
エンジン:水冷4ストローク水平対向6気筒OHC 1520cc 最高出力:97PS 重量:391kg 年式:1988年 常時噛合式5段リターン
当時の販売価格1,750,000円 現在換算で2,192,126円(消費者物価指数)

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