NS500 年式:1982年
ロードレース世界選手権(WGP)でNR500が苦戦する中、4ストロークでは勝てないと判断し、なんとしても勝利を目指すべく、独創の2ストロークV型3気筒エンジンを搭載したNS500を投入し、終盤のスパ・フランコルシャンで初優勝した。16年ぶりにタイトルを獲得する。
マシンは徐々に調子を上げ、翌83年には激戦の末にヤマハを下してライダー並びにメーカータイトルを獲得する。
84年よりホンダの500ccはV型4気筒のNSRとなったがコースによってはNSも使われた。
エンジン:水冷2ストロークV型3気筒ピストンリードバルブ 499cc 最高出力:120PS 重量:119kg
プロリンク式リアサスペンション 写真:82年式 ベルギーGP優勝車#40 F・スペンサー
NSR500 年式:1985年
84年に投入されたV型4気筒のNSR500にはアルミセミモノコックフレームやアンダーカウルに内蔵されたガソリンタンク、通常のガソリンタンクの位置に排気チャンバーなどを数多くの革新的な試みが施されたが、85年型ではコンベンショナルなレインアウトに戻された。
フレームはULF(ウルトラライトフレーム)と呼ばれるアルミ製で左右の極太メインチューブがステアリングヘッドからステップ位置までストレートに伸びる。
市販車にもフィードバックされているタイプとなった。
この年、7勝をマークして2年ぶりに500ccタイトルを奪還した。
エンジン:水冷2ストロークV型4気筒ケースリードバルブ 499cc 最高出力:140PS 重量:119kg
プロリンク式リアサスペンション 写真:フランスGP優勝車#4 F・スペンサー
RS250R-W 年式:1985年
85年に500ccと250ccのダブルエントリーを表明したフレディー・スペンサーの両クラス制覇を目標に製作されたスペシャルマシン。
エンジンは水冷2サイクル90度Vツイン、ケースリードバルブに排気デバイスのATAC付きで、ボア×ストロークは54×54.5mmと85年NSR500と同じ数値を持つ。シンダー、ピストン、クランクシャフトも500と同様のパーツで構成された。
500のエンジンを縦に2分割したレイアウトは1/2NSR500と呼ばれる大いに話題になった。特徴的なチャンバーは、エンジン下でトグロを巻いて容積を稼いでいる。車体はアルミのULF(超軽量フレーム)で、レース毎に2クラスを戦わなけばならないスペンサーのためにハンドリングはNSR500に近い味付けにされている。
エンジン:水冷2ストロークV型2気筒ケースリードバルブ 249cc 最高出力:70PS
プロリンク式リアサスペンション 6段変速 写真:ベルギーGP優勝車#19F・スペンサー
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